髙林梢絵のインスタグラム(kozue__oshima) - 8月31日 18時29分
💛
黄色い家、読み終わりましたーー!!!
ノンストップノワール小説。まさに。
川上未映子さんの描く貧困。
家族という存在のどうしようもなさ。
それらがリアルすぎて、リアルすぎて、リアルすぎて、
脳内で、黄色い家も、それぞれの登場人物の顔も声も、
全てがはっきり再生できるほどに描写が細かくて
「本を読んでいるけれど、映画を観てる?????」
な気分になりました。
この小説を読み終えてシンプルに思うことは
「お金よりも大切なことがある」ってことと
「お金は人を(良くも悪くも)変えてしまう」ということかなぁ。
ラストの結末が(個人的に)結構意外で、
やっぱり人って「お金がある」ことよりも、
自分にとって「大切な誰かがいること」や、
自分の中での「尊い思い出があること」の方が重要で、
人の心を本当に満たしてくれるのは、
お金そのものではないんだ、とひしひしと感じました。
でも、お金って、欲しいよね。
主人公が物語の中でシノギで稼ぎまくってるときに
「え、お金ってなんだ?!」と
「お金の意味」に思いを馳せるシーンがあったのだけど、
いや、そうそう、お金って「交換ツール」でしかなくて、
それ自体はただの原価数十円くらいの紙切れでしかなくて。
お金はもちろん超超超大切だけど、
でも「ツールであること」を忘れちゃいけないな、って思った。
だからすごい月並みな感想になっちゃうんだけど
「大切な人を大切にする」とか「楽しい思い出を作る」とか
そもそも「自由に生きれる」とかが、自分の人生にとっては、
大切にすべきことだと改めて思いました。
そのために!お金を稼ぎたい。
💰
とはいえそんなことを書いたら↑
それは、大切にしたいと思える家族や友達がいる!という
環境にいる自分だから言えることで。
わたしが「わたしの立場」だから、そう言えるってだけのこと。
もし自分がこの物語の主人公「花」だとしたら、
同じ運命をたどっていたに違いない。
誰かを助けたくても、自分をより良くしたくても
そもそも「知識がない」からわからない。
「知らない怖さ」っていうのを、物語を通して何度も感じました。
知らないから、何を、どうやって、
どこから始めていけばいいのかわからない。
そう考えると、
生きていく正しい知恵を教えてもらえることって、
ものすごく「贅沢」なことのように思いました。
最近たくさん本を読むようになって感じるけれど、
「知識は身を助ける」。これはほんとうにそう。
自分を守る、大切な人を守るためには、
正しい知識が必要なんだ、って本当に本当に思う。
糸井重里さんは
「勉強は何のためにするのか?」という問いに対して
「友達を助けるため」と言っていたけれど、
まさに、学ぶことの本質って、誰かを助けたり、
自分を守ったりするためだよな、と切実に思いました。
🌀
話は戻るけれど、
この物語で強烈だったのが、
その主人公「花」がどんどん豹変していってしまうこと。
客観視しているこっちは
「うっわぁ、やば…」ってなってるんだけど、
本人は切羽詰まってるから客観的になんかなれないのだよね。
「ええ、やばいやばい、やばくなりすぎだよ…」
こっちがぶるぶるしてしまうほどの狂いっぷり。
本を前にして静かなるドン引き。恐怖が止まらなかった。
でもそれに対して「花ちゃんはやばいよ!!」と
シスターズがぶちギレまくるシーンがあって
それが痛快に感じてしまうほどの狂いっぷりでしたね。
シスターズがもみくちゃになりながら
修羅場になるシーンは強烈だったけど、
あんな強烈シーンを文字だけで再現してくれる
川上未映子さんまじですごすぎ…臨場感半端なっっ!!と
逆に感動しちゃいました。おもしろかった〜〜!!!!
#黄色い家
#川上未映子
#kozu_booklover @髙林梢絵
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2023/8/31