髙林梢絵のインスタグラム(kozue__oshima) - 11月30日 10時13分
🎭
「自然の無償の奉仕、自然の無益な贅沢、
それがこの春ほど妖しい(あやしい)までに
美しくみえたためしはなかった。
私は自然が地上を再び征服してゆくのではないかという
不快な疑問を持った。
だってこの春の花やかさは只事ではないのであった。
菜の花の黄も、若草のみどりも、
桜の幹のみずみずしい黒さも、
その梢にのしかかる鬱陶しい花の天蓋も、
何か私の目には悪意を帯びた色彩のあざやかさと映った。
それはいわば色彩の火事だった。」
🌸
「夏の午(ひる)さがりの太陽が海のおもてに
間断なく平手打ちを与えていた。
湾全体が一つの巨大な眩暈(めまい)であった。
沖にはあの夏の雲が、
雄偉な・悲しめる・預言者めいた姿を、
半ば海に浸して黙々と佇んでいた。
雲の筋肉はアラバスターのように蒼白であった。」
🌊
「たとえ別離が訪れなくても、
男と女の関係というものはすべてこのままの状態に
とどまることを許さないという覚醒で、
もう一つの錯覚をも壊したのである。
私は胸苦しく目醒めた。
どうしてこのままではいけないのか?
少年時代このかた何百遍問いかけたかしれない問いが
又口もとへ昇って来た。
何だってすべてを壊し、すべてを移ろわせ、
すべてを流転の中へ委ねねばならぬという
変梃(へんてこ)な義務が
われわれ一同に課せられているのであろう。
こんな不快きわまる義務が世にいわゆる
『生』なのであろうか?」
・・・
はじめての三島由紀夫作品がこちらでした
そもそも文学系小説をほぼ読んだことがないので
この文体や漢字に馴染めるのだろうか、、
と不安だったけど
内容も表現も興味深すぎる&おもしろすぎるのとで
夢中で読んでしまいました、、
毎晩読み進めるのが楽しみで
ページが進むたびにもうすぐ終わる?!となるのがさみしく
こんなにぐいぐい三島ワールドに入っていけたことが
ちょっぴり嬉しい☺️笑
仮面の告白は
三島由紀夫の「スキャンダラスな性的自伝」とあって
浅黒い筋肉質な男性が脇腹を刺されて血が滴ることで
興奮する、という肉欲を隠しつつ
女に魅力を感じないけれど
でもそんなこと言えない世界での苦悩とか…
いっそのこと戦争で自然な自殺をしたかったとか
そんなお話で…(物語は第二次世界大戦の頃)
永遠に自分への自己問答が繰り返されていて
その分析が緻密すぎ&論理的すぎるのも笑っちゃうし
でも、朝井リョウの『正欲』同様
なにに欲求するかなんてそれぞれの自由なはずなのに
当たり前に「男は女と結婚する」しか選択肢がない
つらさを感じた、、
(当時はその概念が色濃い時代であり
同士すら探すのが難しい時代🥲)
上記の3つ目に引用した言葉
「どうしてこのままではいけないのか?」は
欲情しなくてもただ一緒にいることが楽しい女性と
出会って、でも結婚を求められたときの
主人公の胸のうちなのだけど、、、
「なんだこのへんてこな義務は!」と憤っているのが
いや、本当にそうだよなぁ、、と。正しい怒りだよね
昔は今よりずっと生きづらい時代だったのかな
なんて昭和初期に思いを馳せました🥹
そしてとにかくとにかく
表現の豊かさがすごすぎて
上にも載せた、桜を「色彩の火事」といったり
湾岸を「巨大な眩暈」といったりと
言葉が楽しい楽しい楽しい❤️🔥
一番好きだったのは、同級生(男)が懸垂したときの
脇毛を見て興奮するところなのだけど
この脇毛の描写だけでものすごい熱量と愛を感じて
何度も読んでしまいました🤣(写真3枚目参照)
・・・
📸
⑤⑥ 先週のこと バーバの四十九日法要
49個のお餅と銀杏をいただいた
⑦⑧⑨⑩ そのあとは家族みんなで中華街へ
バーバの写真も並べて
バーの好きだった豚の角煮も注文😉
中華はみんなで食べるからこそのおいしさがあるなぁ
#仮面の告白
#三島由紀夫
#kozu_booklover @髙林梢絵
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2023/11/30