亜希子のインスタグラム(akiko_ohki) - 8月9日 00時01分
先ほどの投稿に続きオススメ本、2冊目です🌙
「鴨居羊子の生き方百科」(PHP研究所)。
新聞記者から下着デザイナーに転身された鴨居羊子さんが1976〜1979年まで大手新聞で連載していた、あらゆる読者からの人生相談を一冊にまとめたものであります。
鴨居さんの肩書きは沢山あり、エッセイスト、画家、人形デザイナー、絵本作家としてもご活躍されていたというので、それはそれは凄まじいキャリアの持ち主であります。
戦後の日本に下着革命を起こし、実業家としてカリスマ的な魅力を放たれていた鴨居さんが、当時(1970年代後半)迷える人々から送られてきた数々の悩み…
たとえば
夫の浮気やDV、嫁姑問題に悩む主婦の方、先生に恋に落ちてしまった学生、そもそも自分の在り方そのものに迷うセンシティヴな読者からの人生相談を、時には一刀両断しながら独自の視点で切り返す一冊です。
私、人生相談って、とてつもなく難しいと思うのです。
時々、私も人から相談を受けることがあります。しかし、返す言葉によっては自分側のエゴが炸裂してしまうし、その場しのぎの甘くて優しい言葉はそもそも相手が望んでいない。
小手先のセリフでは相手にバレてしまう。そして、自分も突っ込んだところまで向き合って気持ちよくならないと「誰かの役に立った」と思えない(というエゴにとらわれる)。
どうしたって、本当の自分が剥き出しになってしまうわけで、それを引き受けるのは、いわば「自分の成熟度合い」が露呈する恐怖があります。
どれだけ高尚な言葉を並べて取り繕っても、相談に答える側の人間性が滲み出てしまうと思うのです。
しかし、その点。
鴨居さんの数々の潔い回答は、真正面から相談者に向き合い、真実の優しさを携え、私たちの心の奥に潜む「人間は自分が一番大切なんだ」という心のエゴを炙り出しにしながらも、強くエレガントに回答されているものばかりで、ほとんど圧倒されました。強い。そして、猛烈に文章が美しい、優しい。
ご解説を担当される江國香織さんと上野千鶴子さんの文章も、最高でございました。
時代は令和なのに、1970年代も現代とほとんど変わらない悩みを抱えた人たちは、まるで自分の鏡を見ているようでした。みんな、悩むの好きだな??(私も悩むの好きだよ!)
真の強さや優しさとは何かということを、鴨居さんに教わった気がして。とても貴重な本だと思います。
#鴨居羊子 さん #亜希子読書
[BIHAKUEN]UVシールド(UVShield)
>> 飲む日焼け止め!「UVシールド」を購入する
52
3
2023/8/9