牛田智大のインスタグラム(tomoharu_ushida_official) - 4月13日 07時30分

沖澤のどか先生&山形交響楽団との青森・八戸公演にお越しくださった皆さまありがとうございました。

ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番と交響曲第5番は、俗に「運命」のモティーフと呼ばれる共通のリズムによって築かれています。しかし作品が持っている世界観は驚くほどにまったく対照的なもので、今回のプログラムはいわば「2つの運命」ともいえるテーマ性を含んでいました。冒頭に置かれたメンデルスゾーンの序曲「静かな海と楽しい航海」は「海」が持つ対照的な側面(恐怖と希望)を描いたゲーテの2篇の詩をもとにしていますが、この作品が後のベートーヴェンの対照性を暗示しているように感じられ、非常に興味深かったです。

沖澤先生が組み立てられた哲学的なプログラムとともに過ごしたこの数日間は、私にこのうえない充実感と幸福感を与えてくれました。方向性を明確に示す力強さと、すべての声部や楽器に表情豊かさを与える柔軟さを織り交ぜた先生の指揮によって、安心して音楽に集中することができました。楽譜に対する真摯なアプローチなど共感するところが多く、学びや刺激をいただきました。

なにより、先生の故郷青森への凱旋という大切な公演に選んでいただけたことが光栄で、とても嬉しく思っています。

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