日高光啓のインスタグラム(skyhidaka) - 8月17日 20時18分
⑥
ロックオーバージャパンの方が"前向きな閉店と捉えていただけたら"と言っているのに受け取り側の自分が書いた物があまりにも暗かったかな、と昨日の日記を書いた後に反省したりした。
感情が先走ってしまって申し訳なかったなぁ。一方で、本八幡近くの出身の友人や、日記の登場人物の関係者から思わぬDMが来たりしてテンションが上がったりもした。
なんというか、繋がり、まさに"縁"というものを感じずにはいられない様なものだった。
日付が変わって今日は久しぶりに自分の物ではない所でのスタジオワークに没頭した。
存在しない正解の中にゴールを探す作業は、少年の頃の砂場遊びのように途方もなく、海図の無い航海のように心許ない。
録音などせずにいつまでも作り途中でいられたらいつまでもワクワク出来るので、作り途中の曲が百ほども手元にあるのだが、やっぱり放蕩者から音楽家に変わる為にも世の中に出さなければいけないのである。
しかしそうして入るボーカルブースの中というのは孤独なもので、ドアを二つほど挟んだ向こう側にスタッフやエンジニアがいるというのに、時に世界に自分しかいないような感覚に陥らされる。
正直ライブに比べるとスタジオで行う録音作業はそんなに好きじゃないような気もする。長らく喉を故障していてギリギリでいつも生きていた後遺症か、あそこに入ると常にストライクカウント2の状態でバッターボックスに立っている様な気持ちになるからだ。
今日も起きてからという物、必要以上に筋肉をほぐしてほぐして、下手な風呂よりもいい温度に仕上がった街を抜けてスタジオに入った。車を降りて向かうわずかな道中でも意識を飛ばしかねないし、それ以上に剥き出しで持ったMacがひたすらに心配だった。剥き出しで持つなよ。
そうして入った因縁のボーカルブースに、見慣れないモニターがあった。
近年の新型コロナウイルスの感染拡大を受け、家にいながらリモートで外と繋がれるシステムが出来上がっていたのだ。
今回の作品には外部ビートメイカーを入れているので、彼と繋いで、ついでにブースの外とも繋いで、単純に皆の顔を見ながらのレコーディングになった。
クリエイションのためというより、時世を受けてのマイナーチェンジのはずだが、これが実にやりやすかった。
声のみでリアクションを受け取ったりビジョンのすり合わせをするのが普通であった今までに対して、
目線や表情という情報が加わることは、本当に心強かった。
ものの2時間ほどしかそこにはいなかったわけだけど、仕上がりがあまりにもスムースで、もう新しい曲が録りたい。
「やっぱり大事なことは直接会って話さないと…」
という人のことを否定するつもりは全くないけど、
オンラインでもお互いが集中力と熱意を持って話をしたら時にオフラインを越える遥かに高い熱量が生まれるのだよな。
しかも自宅という一番リラックスした環境にお互いがいれるなんて、なんて素晴らしい時代なんだろう。
今日はこれからあと一本だけリモート打ち合わせをしたら仕事が終わる。どうか参加する面々がこれを事前に読んで変にハードルを上げていないことを祈る。
だったらこんな日記書かなきゃいいのだけどね。
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2020/8/17