植田夢月のインスタグラム(dream_moco) - 11月4日 13時32分


#ものすごい長文です注意
10/31 Astroman(アストロマン) / 5.11c, 10P Team RP

今回の旅のメインゴールの一つ、アストロマンのワンプッシュチームRPを、夫と達成できた。あまりの達成感のせいか、その後2日間は何もやる気が起きず、今やっと、思いを文章にまとめる気になった。

アストロマンのことをどうやって知ったのか思い出せないが、クライミングを始めた頃から名前だけは知っていた。聖地ヨセミテにある、世界最高のマルチピッチルートの一つ、という形容詞だけでトライするには十分な理由だろう。

そんな憧れだけで挑戦した昨年。
クラッククライミングを始めて約1年半、瑞牆で5.11cのクラックをRPできて、自分はこのルートへの挑戦権があるのだ、という気持ちで取り付いた。
2つある核心ピッチのうち、Enduro Corner (エンデューロコーナー、直訳すると「長距離耐久コーナークラック」)を私、Harding Slot(ハーディングスロット)を夫が登ろう、と決めた。

しかし、結果は散々だった。私はエンデューロコーナーを全然登れなかったし、そこで時間がかかりすぎて、最終ピッチまでトップアウトすることすらできなかった。

手の甲を怪我していたという事実も大きいが、そもそも私には色々なものが足りていなかった。テクニック、持久力、メンタル、体幹、etc…。エンデューロコーナーを1トライしただけで芯からヨレてしまい、続く簡単なピッチでもボロボロだった。

この1年は、ほとんどアストロマンを完登することを考えて過ごした1年だったと言っても過言ではない。そのくらい、心の底から悔しかったのだ。

名張への数回の遠征は、私の拙いジャミング技術を向上させてくれた。
PUMP2、ライノアンドバードや二子山でのクライミングで、持久力を底上げした。
瑞牆やスコーミッシュのマルチピッチクライミングでは、自分の心との向き合い方を学んだ。
トム・ランドール氏主宰のラティストレーニングを体験受講して、体幹と柔軟性の重要性や、最大筋力とエンデュランスを効率的に鍛える方法への理解が進んだ。


10/25、アストロマンに今年初トライ。しかし、エンデューロコーナーの核心で落ちてしまった。この日はこのピッチを練習する日に切り替え、計3回登った。3回登っても体力が余っていたのが嬉しかった。ここから調子は上がるはずだと前向きに考えた。

そして迎えた10/31。実は、この日体調があまり良くない気がしていた。寒さで足先の感覚もない。エンデューロコーナーまで来ておいて、トライをやめようかと思った。しかし、夫の「きっと体調は悪くない。やってみないと分からないよ。」との言葉に背中を押され、取り付きを出発。

数十分後、核心を突破し、終了点でセルフビレイをとっている自分の姿があった。信じられない!感無量だ。やってきたことが報われた瞬間、本当に嬉しかった。

次の核心であるハーディングスロットを、夫が2回目のトライでRP。その先のピッチは初めてだったが、全てOSすることができ、夜19時半頃、ワシントンコラムの頂上に立った。自然と声を上げて泣いた。満点の星空とハーフドーム・ノースドームを見上げて、しばしルートの素晴らしさを思い出して浸った。一つ大きな夢が叶って、今が人生で一番幸せだ、と思った。

率直に言えば、夫の力にかなり頼ってのチームRPだ。エンデューロコーナー以外の5.11台のピッチは夫にリードしてもらったし、私がハーディングスロットをRPできるようになるには、おそらく日数がかかるだろう。でも、最初に決めた事を果たせたので、一旦は満足だ。また登りたくなった時に戻って来よう。

パートナーの夫、そして色んな形で支えてくださった方々に本当に感謝。


1枚目: 山頂にて
2枚目: ワシントンコラム全景。待ち受けにしてた。
3枚目: エンデューロコーナー取付から
4枚目: エンデューロコーナーRP後の私
5枚目: ハーディングスロットにトライ中の夫
6枚目: ハーディングスロットのビレイ点で行動食をアピールする私
7枚目: 隠れた名ピッチ、8P目チェンジングコーナーの取付から
8枚目: 星空とハーフドーム(iPhone11の限界)


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2019/11/4

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