山下航平のインスタグラム(kouhei_yamashita_official) - 9月22日 21時01分
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『時代の波で泳げない』
#フィクションエッセイ
今日は、ある悩みを相談したいと思う。
”流行”というものは生き物のように、日々姿形を変えながら社会の中を漂い続けている。
そもそも流行の源流はどこにあるのだろうか。
総理大臣がメガホンを使って、
「これから!!みんなで!!タピオカを流行らせていこうね〜!」
と大声で街頭演説をしているわけでもないのに、世間ではいつの間にかタピオカを求める人が列を作り、タピオカを片手に写真を撮り、SNSにアップして、その投稿を見た人がいいねを押し、また新たなタピオカを求める人たちを次々に生み出す。そして、その人たちが翌月にはマリトッツォを求めていたりする。
人の心理とは不思議なもので、多くの人が欲しいと思っているものに魅力を感じて、それを手に入れたいという欲望が湧いてくる。
例えば、高級ブランド品のカバンだったり、「大ヒット上映中」と書かれた映画など。
だからモテる人は、半永久的にモテ続けているのかもしれない。
これはおそらく、「欲しい」という太鼓判を他人に押してもらうことで、自分の「欲しい」という感情が間違っていない思えるからだ。
自分の感情を、誰かの感情で補強して安心させているのだ。社会からはみ出さないために、とても必要な人間の防衛本能だと思う。
少し話がずれてしまった。
今の流行の源流は、間違いなくSNSだろう。
SNSでは、流行りのスイーツ、曲、グルメ、ゲームなどが溢れ、その時代の”今”がSNSには反映されている。
しかし、僕はそのSNSで手に入れる情報をうまく使うことができない。
これが僕の大きな悩みだ。つまり、時代の波にうまく乗れないのだ。
「流行っているものに飛びつかない、自分は自分の道をいく。」
むしろ、そんなふうに振る舞っている自分がかっこいいとすら思っているし、流行っているものに対して脳死で飛びつくことが恥ずかしいと思っている。
だから、SNSで見かけた流行りのスイーツがコンビニで売っていると知ると、
フラっとコンビニに出かけて、残り一つしかないことに心の中でガッツポーズをしながら、レジに並び、
「よかったですね!これいつも人気で売り切れてて買えないんですよ!SNSを見て買いに来られたんですか?」
と優しい店員さんに言われても、
「へーー、これが流行ってるんですか?
あと一つしか無いから人気なのかなとは思いましたけど。まさかSNSでバズってたとはなあ。
え?誰ですか??
その人がこれを紹介してるんですか?へー。知らなかったなあ。」
と思いっきりスカした対応をする。
側から見たら正直これが一番ダサい。自分でも自覚している。
でも、どうしても自分はその質問に
「そうなんです」
の5文字が言えない。
*このお話はフィクションです。
実在の人物や団体などどは関係ありません。
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2023/9/22