鎧塚俊彦のインスタグラム(toshiyoroizuka) - 8月23日 17時49分

バター不足の根本的な問題について（５月１９日、８月１６日投稿に続いて）
酪農家から仕入れる乳価は主に牛乳の飲用向けが１ｋｇ約１２０円。バターなど加工用が約８０円です（年によって変動します）
ここでまず疑問が起こります。果物等の場合は生食用とジャム等の加工用とでは品質自体が変わります。加工品は俗にB級品と言われる物が主で当然価格が変わります。
ところが生乳は牛乳用もバター用も同じで一括して納品して、酪農生産者団体と乳業メーカーが決定した用途別で乳価が支払われます。
酪農家からしてみれば同じ生乳を収めても団体の決めた使途により収入が変わります。
何故こんな私達からみると不可思議な事が起こっているかと言うとその根底にあるのは
「バターは余った牛乳で作る物」という古い固定概念が未だに農水省や酪農団体の皆様の中に強く残っている気が私は致します。
根本になっているのは１９６６年施行の「加工原料乳生産者補給等暫定措置法」。
当時は余った牛乳を捨てる訳にもいかずあまり売れないバターを仕方なく作りました。
もちろん法改正は何度もなされていますが食生活が著しく変化して、もはやバターは欧米並みに必需品となった日本で半世紀前の「バターは余った牛乳で作る物」という驚くべき古い考え方が度重なるバター不足を調べる度に浮彫になってきます。
時代の流れと共に個人の考え方も、組織の在り方も仕組みも、国民の幸福の為に変化していかなければならないのではないでしょうか？
それ以外にも国家間協定を大切にして本来なら国家にとって一番大切な第一次産業が疎かにされていると感じるカレント・アクセス（低関税輸入枠）も酪農にもバター不足にも大きな影響を落としていると思います。貿易も大切ですがまずは酪農家の皆さんや第一次産業従事者の生活を守らないと国家は衰退すると思います。
私達消費者も、酪農家さんも、酪農団体や官僚や政府の皆様も皆んなで真剣に考えていきたいです。
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