野々すみ花のインスタグラム(osumi_sumi) - 1月31日 12時43分


「保育園に行きたくない」

この言葉を今まで何度聞いたことか。
この言葉が大爆発することがあって、とある日、どうにかこうにか泣き叫ぶ息子を抱えてタクシーに連れ込んで(本当は歩かないといけないのだけど)、保育園の玄関では野生動物のような力の強さでドアの取手を握りしめ、私は必死の力を振り絞ってその手をドアの取手からふりほどき、なんとか靴箱前に着いたと思ったら息子は私のことを投げ飛ばす。尻餅をつきながら、冬だとういうのに私と息子二人だけはもう大汗ダラダラ。その様子を、見てはいけないようなものを見てしまった・・・という雰囲気で、パパさんママさんたちからの目線を浴びる。
そんな目線をヒシヒシと感じながら、大声で叫んでいる息子をかついで教室の前になんとか到着。だけどそこから動こうとせずに「行きたくない!」の大絶叫。この大騒動に、同じクラスの力の強いパパさん二人が力を貸してくださって、「一緒に行こうか!」と手をとったり呼びかけてくださるも、びくともせず。ママさんたちは「大丈夫、こんな時もある」と声をかけてくださったり、勝手に涙がポロポロ流れている私を友人ママが抱きしめてくれたり・・・。

極まりなくお騒がせの親子・・・。

さて、昨日の話。
ここまでのことにはならなかったけれど、いつものように静かに教室前でストライキを起こしてかれこれ10分ほど経った頃。私もしぶとく色々な言葉をかけながら、どうにか教室へ入ってはくれないか・・・と念じていました。そこに同じクラスのママさんがすーっとやってきて「〇〇くんの手の甲に、好きなキャラクター描いてみたことあります?アンパンマンがいいかな?もしかしたら効き目あるかも!」と私の耳元で囁いてくれました。
「やったことないです!今からやってみます!」と、急いで廊下に設置してあるホワイトボード専用の黒ペンを拝借。そういえば今朝「手を第二関節から曲げたらまるでクリームパンダちゃん(というアンパンマンの仲間)みたいなムクムクした手やね!」といって笑い合っていたことを思い出し(その頃は平和だった)、息子の手の甲に、キュキュっとクリームパンダちゃんの絵を(適当に)描きました。「さ、今日はママの代わりにクリームパンダちゃんが見守ってくれるから、安心して楽しんできて!」と言って背中をそっと押して送り出すと、人が変わったように目をキラキラさせ、彼はそのまま教室に吸い込まれるように入っていき、今までのことが何もなかったように平穏な空気を醸し出しながら、お友達の輪の中に入っていくのでした。
その様子を呆然と見つめる私。
・・・今のはなんだったんだ?・・・
そしてこっそり窓から様子を見てみると、なんと、手の甲のクリームパンダちゃんをじーっと見つめて、恍惚とした表情をしているではありませんか。そしてだいじそうに、握りしめたその手をそーっと胸の前へ。うっとり。

え。
なに?なに?

子供の心って
いったいどんな風にできているのだろう。

夜になって帰宅した頃、クリームパンダちゃんの面影は、彼の手にまだうっすらと残っているのでした。


[BIHAKUEN]UVシールド(UVShield)

>> 飲む日焼け止め!「UVシールド」を購入する

2,178

41

2023/1/31

野々すみ花を見た方におすすめの有名人