村上隆さんのインスタグラム写真 - (村上隆Instagram)「12月4日からカイカイキキギャラリーでは、陶芸家上田勇児さん @yuji____ueda の展覧会がはじまります。 展示の具合を見てきましたが、ココ2年間の精進の成果が出ている作品が沢山あって、フロンティアを突き進む勇気に脱帽してます。 で、そんな彼の製作を取り巻くちょっとした事件に思うところあって記事を書いてみます。  この展覧会の前に、彼は窯を作り替えました。彼の窯の所在地は親族が保有する山の中腹にある小さな沼地で、柵があるわけでもなく、無防備にもポツンとその窯は更地の真ん中に存在してます。 かつては田んぼであったその場所に土を盛って窯を作っている。古い窯の時は盛り土をしっかりしていなかった為に、地面より水が染み出してきて、超高温になった釜の中で水蒸気が爆発して、厚み3mmほどの鉄板が上田さんの胸元に吹っ飛んできて、肋骨を数本折ったりしたことがありました。良くも運良く生き残ったもんです。 それでも彼の頭の中ではその窯の在り方が彼の求める釉薬の溶けかた、出来上がり迄の道筋を示していると信じた為に暫く使っていたけれども、今年に入って思うところあって、窯を作り替えることにしたそうです。 主に燃費が悪過ぎたからとの事。 自分なりの図面を書いて、無い金叩いてレンガを買って、新造して完成。 自分が計算したよりもひとまわり小さくできてしまった。レンガが随分無くなってる!と。 そして気がつくと、自分が描いた窯の図面がファイルの中から一枚だけ無くなっていた!! もしかすると誰かが持ち逃げしたのだろうか? しかし、上田さんは発達障害の認定を受けており、言語のコミュニケーションに問題が多い、数字への理解に乏しい、と言う診断が出ているので、本人の思い込みによる勘違いかもしれないです。でも。もしかすると本当に持ち逃げされたのかもしれない。その辺は客観的には正誤の判断が出来かねる。 でも、ここ数年の上田勇児さんの在り方は、現代美術の文脈で陶芸を発表し、作品が日本の陶芸ファンでは無く、日本国外のコレクターに、買われたと知られるや否や、上田さんのスタイルに似た、作品が頻発してきています。 彼の作風は、信楽ではユニーク過ぎて、彼の前に彼のスタイルのような作家は居なかったと言えるので、彼のオリジナリティはお墨付きかと思います。しかし、ここ数年、彼の模倣が増えてると思うのです。僕は模倣の在り方があからさまなので、上田さんを取り巻く陶芸会の有識人にクレームを言うと、そう言う模倣の伝播こそが「産地」つまり陶芸の土地土地のスタイルになっていくと言う歴史もあるわけだし、悪では無いよ、と、模倣を容認する姿勢を説明されて、考え方の違いに驚きました。 オリジナリティを作り上げるまでにどれだけ沢山の苦渋の失敗(肋骨を折ったり)の辛酸を舐めたのかを考えると、釉薬のレシピや窯のあり方を模倣されてパッと作られてしまう模倣の流れが僕は許せない!と思うのです。 しかし芸術家は往々にしてキチガイと天才は紙一重と言われ、現に上田さんは医者で発達障害を認定されていたりして、そう言うキャラクター故に、常識人からは少し馬鹿にされて取り合ってもらえないことが多かったりして。 僕も発達障害的なところがあるから、ひどく同情するのだが、兎に角、そんな苦労の真っ只中での新規の窯が予定よりもひとまわり小さく完成し、図面も無くなったのだが、まぁ、新作はどんどん完成して、展覧会が行われる迄に漕ぎ着けました。昨日そんな話を作家から聞いて憤激したのでココに書きましたが、上田くんの勘違いで、盗まれていないのかもしれないし、陶芸における産地とは識者の言うとうりで、模倣されて拡散されて利益をシェアする考え方が正義なのかもしれないし、正直、陶芸を取り巻く世界観はミステリーに満ちています。😭」12月2日 8時20分 - takashipom

村上隆のインスタグラム(takashipom) - 12月2日 08時20分


12月4日からカイカイキキギャラリーでは、陶芸家上田勇児さん @yuji____ueda の展覧会がはじまります。
展示の具合を見てきましたが、ココ2年間の精進の成果が出ている作品が沢山あって、フロンティアを突き進む勇気に脱帽してます。
で、そんな彼の製作を取り巻くちょっとした事件に思うところあって記事を書いてみます。

この展覧会の前に、彼は窯を作り替えました。彼の窯の所在地は親族が保有する山の中腹にある小さな沼地で、柵があるわけでもなく、無防備にもポツンとその窯は更地の真ん中に存在してます。
かつては田んぼであったその場所に土を盛って窯を作っている。古い窯の時は盛り土をしっかりしていなかった為に、地面より水が染み出してきて、超高温になった釜の中で水蒸気が爆発して、厚み3mmほどの鉄板が上田さんの胸元に吹っ飛んできて、肋骨を数本折ったりしたことがありました。良くも運良く生き残ったもんです。
それでも彼の頭の中ではその窯の在り方が彼の求める釉薬の溶けかた、出来上がり迄の道筋を示していると信じた為に暫く使っていたけれども、今年に入って思うところあって、窯を作り替えることにしたそうです。
主に燃費が悪過ぎたからとの事。
自分なりの図面を書いて、無い金叩いてレンガを買って、新造して完成。
自分が計算したよりもひとまわり小さくできてしまった。レンガが随分無くなってる!と。
そして気がつくと、自分が描いた窯の図面がファイルの中から一枚だけ無くなっていた!!
もしかすると誰かが持ち逃げしたのだろうか?
しかし、上田さんは発達障害の認定を受けており、言語のコミュニケーションに問題が多い、数字への理解に乏しい、と言う診断が出ているので、本人の思い込みによる勘違いかもしれないです。でも。もしかすると本当に持ち逃げされたのかもしれない。その辺は客観的には正誤の判断が出来かねる。
でも、ここ数年の上田勇児さんの在り方は、現代美術の文脈で陶芸を発表し、作品が日本の陶芸ファンでは無く、日本国外のコレクターに、買われたと知られるや否や、上田さんのスタイルに似た、作品が頻発してきています。
彼の作風は、信楽ではユニーク過ぎて、彼の前に彼のスタイルのような作家は居なかったと言えるので、彼のオリジナリティはお墨付きかと思います。しかし、ここ数年、彼の模倣が増えてると思うのです。僕は模倣の在り方があからさまなので、上田さんを取り巻く陶芸会の有識人にクレームを言うと、そう言う模倣の伝播こそが「産地」つまり陶芸の土地土地のスタイルになっていくと言う歴史もあるわけだし、悪では無いよ、と、模倣を容認する姿勢を説明されて、考え方の違いに驚きました。
オリジナリティを作り上げるまでにどれだけ沢山の苦渋の失敗(肋骨を折ったり)の辛酸を舐めたのかを考えると、釉薬のレシピや窯のあり方を模倣されてパッと作られてしまう模倣の流れが僕は許せない!と思うのです。
しかし芸術家は往々にしてキチガイと天才は紙一重と言われ、現に上田さんは医者で発達障害を認定されていたりして、そう言うキャラクター故に、常識人からは少し馬鹿にされて取り合ってもらえないことが多かったりして。
僕も発達障害的なところがあるから、ひどく同情するのだが、兎に角、そんな苦労の真っ只中での新規の窯が予定よりもひとまわり小さく完成し、図面も無くなったのだが、まぁ、新作はどんどん完成して、展覧会が行われる迄に漕ぎ着けました。昨日そんな話を作家から聞いて憤激したのでココに書きましたが、上田くんの勘違いで、盗まれていないのかもしれないし、陶芸における産地とは識者の言うとうりで、模倣されて拡散されて利益をシェアする考え方が正義なのかもしれないし、正直、陶芸を取り巻く世界観はミステリーに満ちています。😭


[BIHAKUEN]UVシールド(UVShield)

>> 飲む日焼け止め!「UVシールド」を購入する

12,612

56

2020/12/2

StreetArtGlobeのインスタグラム
StreetArtGlobeさんがフォロー

村上隆を見た方におすすめの有名人