村上隆のインスタグラム(takashipom) - 10月25日 06時22分


10月25日14時より、となりの村田 @tonari_no_murata 主催のトークショー
「魯山人と生活工芸」
を、京都市国際交流会館で行おうと思います。入場無料です。
魯山人と『生活工芸』に関わる話です。
新潮社の工芸の専門誌で、『生活工芸』 @kogei_seika の旗振り役「工藝青花」の編集長、菅野康晴 さんと、魯山人作品販売と鑑定の専門店、銀座黒田陶苑 @ginza_kurodatouen の黒田佳雄さんもご登壇いただきます。それと村田森 @muratashinwolf さんと僕も、です。

僕は此処に添付したマトリックス図のような感じで「生活工芸」を解釈しており、何故解釈せねばならなかったかと言えば、敗戦後、そしてバブル経済崩壊後の負け負け日本の中に生まれた奇跡の美意識の起源と、その未来の可能性を理解したかったからです。で。学習して行く中で、あれ?あれれ?となる事が頻発してきて『生活工芸』の理念の核心部とされている柳宗悦の民藝論が機能しておらず理屈が合ってない事に気が付いたのです。
それは僕が29歳で現代美術業界にデヴューして感じた違和感にそっくりでした。つまり、業界内で蠢く人たちは、己のテリトリー確保に必死で、実は業界を俯瞰して見れていない的な感じ。己らで理念を発見できぬが故に借り物の理屈を添え木にしている作法に似ています。
現代美術業界では、何かといえばデュシャン、クレメントグリンバーグを担ぎ上げていましたが、そのOSで、日本の芸術は上手く起動しなかったわけで、オリジナルなOSをカスタムメイドしなければならなかったのです。其れが僕の場合は「SUPER FLAT」でした。
『生活工芸』と柳宗悦の民藝論との関係も似ています。柳は戦前からのブルジョアであり、上から目線で民の芸術を語っていたわけだし、その作法も決してオリジナルではなく、当時西欧で流行っていた第三世界の文化の植民地主義的な目線の模倣であったと言えましょう。で、私が魯山人に共感するのは、この柳的な目線の真裏。最下層の生まれで叩き上げた書家が日本のヒエラルキー構造の中をもがく中での温故知新が極めてオリジナル、日本固有であったからです。
『生活工芸』の争点は三谷龍二 @ryumitani 安藤雅信 @masanobu.ando によると、敗戦後のアメリカ文化の日本的咀嚼であり、その在り方は、音楽の世界で例えると「はっーぴーえんど」的であり、ファッションの世界では「裏原宿」的であったのです。なので植民地主義的な視点の柳の理屈を使って、日本人が日本の文化を植民地主義的に見立てれるなら『生活工芸』は更なる進化を遂げてゆくでしょうが、そこまでラジカルになれずに、今現在は足踏みし続けている筈。、、、と言うかラジカリズムが『生活工芸』的と言うわけでもないでしょうし。
で、その柳宗悦の対極であったであろう下賤な出自の北大路魯山人の創造したOSを使ってのトライアルが僕ら「となりの村田」の進むべき未来である。そんな話をしようと思ってます。


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2020/10/25

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