喜安浩平のインスタグラム(kiyasukohei) - 2月10日 18時52分


リアルファイティング『はじめの一歩The Glorious stage』

昨日、無事にすべての日程を終え、完演するこができました。

沢山のご来場、愛と熱のこもったご声援、誠に誠にありがとうございました。強い勇気をいただきました。

あの作品は、大勢の経験豊かなスタッフの方々にご尽力いただき、成立していました。私の書いた本を元に、試合を作っていただき音楽をあわせていただき効果音を重ねていただき映像と明かりを加えていただきリングを人力で回し煙を炊いて衣装とメイクでしっかりと世界を作っていただきマイクでつぶさに声を拾っていただき稽古から劇場まであらゆるところを快適に整えていただき、そうしてようやく形にすることが叶いました。なに一つ欠くことのできない、本物の力を注いでいただきました。ありがとうございました。

そして俳優たち。彼ら彼女たちの存在なくして、あの作品はあり得ない。代わりのきかない唯一無二の存在を示してくださいました。身を削り、心を強くしてことにあたってくださったことに心から感謝申し上げます。いてくれて、本当にありがとう。一歩役の後藤くんは、稽古から本番のたった1ヶ月半の時間のなかで役を自分のものにすることができた、稀有な俳優です。私がかつて1年半のレギュラー放送の期間をかけても手に入れられたかどうかわからないところまで、あっという間にたどり着いたのです。新しい世代、新しい俳優の台頭に、頼もしさと羨望の思い、あと少しの嫉妬を覚えます。

願わくば、小さくてもいい、この作品が彼らの俳優人生のエポックになること。そしてこの先の豊かな創作活動に寄与できるなにかであることを望みます。

演劇を、『風に絵を描く芸術』だと仰った方がいらっしゃいます。私はこの言葉が好きで、いつも演劇を創作するときにこの言葉を心にとどめてことに当たるようにしています。描いたはしから吹かれてどこかへ消えていく。こんな不毛な営みが他にあるでしょうか。それでも、吹く風に立ち向かう創作者の背中に、強く大きなロマンを感じずにはいられません。

そのことを今回はボクサーに置き換えました。強さの証も、手にした途端、風に吹かれて消えていく。今作では、一歩の放つ拳に、舞い散る葉っぱの背景に、始まりと終わりに、あらゆるところに風の音を散りばめておきました。虚空に突き出す拳が風を生む。誰かに届いて次の風が生まれる。風は少しの間もひとところに留まることはなく、次の場所をめがけ、時にゆっくりと、時に暴風となって吹き続けます。そのことを私は、原作の『はじめの一歩』が30年もの長きにわたり歩み続けてきたことと重ね合わせ、今作の秘めたテーマといたしました。一歩が風神の異名を持つことも由来のひとつ。

自分の好きな言葉が『はじめの一歩』にも当てはまるのではないかと気づいたとき、私は私に勇気をもらったのです。

つくづく思います。

演劇を続けてきてよかった。『はじめの一歩』に出会えてよかった。劇団のみんな、俺たちの考え方に間違いはないようだよ。こまかいことはまたnoteに。

森川先生、講談社さま、ネルケの皆様、こんな貴重な機会を与えていただき、ありがとうございました。

明日、ある方の墓前に全員の無事を報告をさせていただいて、今回の私の責はいったん終了とさせていただきます。高木渉大先輩、丸山プロデューサー、三間音響監督、西村監督、小山さん、関さん、小野坂さん。沢山の方に見守っていただいて辿り着いたここです。さらにどうしてもご報告差し上げたい方がいらっしゃるのです。

ありがとうございます。風は吹き続けます。新たな風に立ち向かう時、またお会いしましょう。それまでお元気で。

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2020/2/10

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