平泉春奈のインスタグラム(hiraizumiharuna0204) - 8月30日 20時09分
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『あの日の選択』
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どこから私は間違えてしまったんだろう。
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「それでもいいから」
5ヶ月前、彼は私に言った。
「君の中に俺以外の誰かがいたとしても、それごと受け入れたいんだ。」
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いつか彼を好きになれると思った。
私の中でずっと消えてくれなかった炎を
穏やかに優しく、消してくれる。
漠然とそんなことを思って
彼の優しさに甘えた。
それが罪深いことだなんて
微塵も思わずに。
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いつからだろう
彼に抱かれながら
あの人を投影し始めたのは。
いつからだろう
彼が私を見る目に
哀しみとも怒りとも言えない
陰りができ始めたのは。
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「……ごめんなさい。本当に、ごめんなさい。私やっぱり……」
「それ以上言わないで。お願いだから」
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彼の声は震えていた。
その顔を見る勇気がなかった。
目の奥が熱いもので溢れて
こぼれ落ちそうになる。
ダメだ、泣くな。そんな資格、私にはない。
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「私が間違ってたの。全部私が悪い。許してほしいなんて言わない。このままもう……」
言い終わる前に凄い勢いで抱きしめられた。
その先の言葉を全力で閉じ込めるように。
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「……俺は大丈夫だよ。不安な顔してごめん。何も心配しないで。絶対忘れさせるから。何があっても君のことずっと好きだから。守るから……だから……」
言葉は消え入りそうなほど小さくなって
やがて途切れた。
抑えきれない哀しみが身体全体から伝わる。
腕を背中に回したくなるのをぐっと堪え
今しかないのだと
折れそうになる自分を必死に奮い立たせた。
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「私が大丈夫じゃないんだよ……これ以上自分のこと嫌いになりたくない。お願い……お願いします」
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その後のことが今でも思い出せない。
ただ人生において私は1人の人間を深く傷つけ
後悔と自己嫌悪で吐きそうになりながら
何かに生かされてるような感覚だけで
毎日を過ごしたという記憶だけが残ってる。
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あれは確か、夏の終わりだった。
今年もまた、記憶のカケラが
秋を感じさせる風と共に
穏やかに、ほんの少しの苦味を持って
心の隙間に吹き抜けた。
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何が正しかったかなんて、後にならなければ分からないし、何1つ後悔なく生きるなんて無理な話なんだよね。っていう思いが生んだフィクションです。
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それでも長く生きていれば、人は変わるし環境も変わるし考え方も感じ方も価値観も、その全てが確実に変わっていきます。
そして後悔もまた、時間と共に思い出に変わっていくものなんですよね。
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2019/8/30